大手予備校の話(日常編)〜入塾金を払う前に、知っておきたいこと〜浪人経験者が語るリアルな話〜 | 宅浪.com

大手予備校の話(日常編)〜入塾金を払う前に、知っておきたいこと〜浪人経験者が語るリアルな話〜

 

 

どうもこんにちは、シノハラです。

 

今回は、シノハラが浪人時代に1年間通っていた大手予備校でのエピソードをお話ししたいと思います。
当時その予備校の寮に入っていたのですが、なぜ寮生活をすることになったのかというと、シノハラは出身地はかなりの田舎で、近場に予備校がなかったのです。
京大を目指していたシノハラは、親に頼み込んで大手予備校の寮に入ることになりました。

 

その当時のシノハラは決して成績が良かったわけではなく、京大を志望するレベルには達していませんでした。その大手予備校を選んだ理由は、高校時代の柔道部の先輩がそこの寮に入っていて、第一志望の大学に受かったことを知っていたからです。その先輩もシノハラも同じ文系志望でしたから、それならぜひその予備校に通ってみようということになったのです。

 

いざ予備校の寮に入ってみると、シノハラが使うことになった部屋がものすごく寒かったのです。決して北海道や東北のような雪国にあったわけではないのですが、暖房が効かなくて、とにかく寒い部屋でした。寒がりのシノハラはヒートテックの上からジャージやトレーナーなど5枚くらい重ね着して、なんとか寒さをしのいでいました。
シノハラはその1年間で体重がかなり減りました。高校時代の友人からは「お前、しぼんだ?」と言われたくらいです。シノハラは身長は低いほうで166pなのですが、柔道をやっていたのでガタイが良く、体重は75キロくらいありました。それが10キロくらい体重が落ち、筋肉も削げ落ちたようになってしまいました。やはりストレスが溜まっていたのだと思います。その当時の写真を見ると、顔が死んでいます。あの生活をもう1年続けていたら自爆していたかもしれません。
これでもし大学に合格できなかったら、本当に自爆してやろうと思っていました。100万つぎ込んで受からなかったら、予備校に火炎瓶でも投げ込んでやろうくらいの気持ちは正直ありました。それくらいの危険な思考回路を持った状態で勉強していたということです。
結果的に大学には合格しましたから、犯罪者にならずには済みましたが…。

 

予備校の授業については前回も少しお話ししましたが、基本的にほったらかしです。授業に出るも出ないも本人の自由です。
3畳ほどのせまい部屋は、ユニットバスと机、ベッドがあり、小さな本棚があるだけでした。
本棚は本当に小さなもので、テキストや赤本を並べたらそれでほとんど埋まってしまいました。シノハラはときどき近所の古本屋で本を買っていて、それもその本棚に並べていました。
服をしまうスペースはベッドの下に少しあるだけ。そんな環境で生活していました。
シノハラはもともとあまりファッションセンスがありませんから、予備校にいたときもジャージばかり着ていました。十代の後半になってもあまりファッションに興味がわかず、ずっと部活ばかりやっていたこともあってか、普段からジャージだけで生活することが当たり前になっていたのです。

 

犯罪者すれすれの思考回路で勉強していたと言いましたが、受験勉強のストレスからか、そういう感じの人は他にもけっこういました。予備校では基本的に携帯電話の持ち込みが禁止されていて、共同で使える電話器がありました。そこで電話片手にPSPでゲームをしていた人が、「俺だって勉強してんだよっ!」とブチギレているのを見ました。話を聞いていると、その人はすでに3浪しているということでした。
他にも、ほとんど風呂に入らない人がいて、どのフロアにその人がいるかが、臭いですぐにわかってしまう、なんてこともありました。浪人生活の中で誰もが精神的に追い込まれていたのかもしれません。

 

予備校での生活というのは勉強のためだけにあるものですから、ほとんど修行僧のような感じなのです。そういう環境の中にいると、どうしても人間の本性が見えてしまうものです。
例えば、センター試験に失敗した人の中には、他の人の部屋に転がり込んで、その人の勉強の邪魔をしてくる人がいるなど、受験生どうしで足の引っ張り合いがおこなわれていました。
受験というのはひとつの試練ですから、そういった環境では、どうしても人間の本性、醜い部分が色濃く露呈してしまうのだなあと、シノハラは痛感しました。

 

寮に入って独り暮らしをするとなると、色々と不安はあるかもしれません。寮内には食堂やユニットバス、洗濯機などもあり、近所にはコンビニなどもありましたから、生活面で困ることはないのですが、やはり不安になる気持ちはわかります。
しかし、そんな環境のなかでも自分の目標を見失わずにどこまでやれるか、それが重要だと思うのです。
試験前までは友達だった人があなたの足を引っ張りに来ることもあります。人間の醜い部分が見えてしまいます。ときには講師がちゃんと授業をしてくれないことだってあります。
予備校というのは、お金さえ払えば結果が出るというところではありません。あなた自身の頑張りがすべてなのです。予備校の授業なんて学校とたいして変わりありません。目から鱗が落ちるようなわかりやすい授業がおこなわれているわけではないのです。

 

予備校の中は決してぬくぬくとした環境ではありません。エアコンが効かない部屋があったり、様々な人間模様を目にすることもあります。一方で、寮長さんや周囲の人たちに支えられ、人間の温かみを感じることもあると思います。
予備校に行くか行かないかは、あなたの判断に任せます。
何が正解かはわかりません。ただひとつ言えることは、自分自身が自分自身に対してどれだけストイックになれるかということだと思うのです。
人生1回きりです。大学受験もそおらく人生で1回きりでしょう。その1回きりの人生をどう歩んでいくのか、予備校生活の中ではそれが見えてくるかもしれません。
これから予備校に通って浪人生活を送ろうと思っている人は、今いちど、予備校について考えてみてはいかがでしょうか。

 

以上です。
ありがとうございました。

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